1-15. ICE3のフル編成

2018年3月28日

メルクリンZゲージのICE3は1999年に発売されたモデルです。ICE3の本物はドイツ国内専用の403型と国際仕様の406型があり、Zゲージでは406型がモデル化されています。

 

88712の4両基本セットと87111~87114までの増結車両4両で、フル編成の8両が揃う構成になっています。

 

 406.0~406.8(4は欠番)の8両です。

 国際仕様の406型は交流15kV/16.7Hz、25kV/50Hz、直流15kV、30kVの4電源対応した高性能機です。各国の電圧に合わせる為(だけじゃないけど)に先頭車両を除いたすべての車両にパンタグラフが装備されています。最高速度は330km/h(ただし直流だと220km/h)で両端に機関車が付いたICE-1とは違ってモーターを分散させた電車方式になっているのが特徴です。

ちなみに406.0、406.1・・・といった具合に「.0」「.1」の部分が種類別の型番になります。

こういった雑誌に詳細が書かれていますので参考にされるのもよいかと思います。表紙がICE3なのでさぞかしたくさん情報があると思いきや、実際にはICE-1がほとんどでICE3は数ページといった扱いのされ方です。あんまり人気がないのかなぁ?

上の絵の通り

406.0 1等車

406.1 1等車

406.2 1等車(現在は2等車)

406.3 レストラン(現在はビストロ)

406.8 2等車

406.7 2等車

406.6 2等車

406.5 2等車

という順番で構成されています。

 分散動力配置ではありますが、4M+4T(動力車4両、付随車4両)の構成になっています。完全な付随車は406.8と406.3の2両だけで、他は整流器、変圧器が床下に納められています。この編成は固定で8両が短くなることはありません。増結は2編成が併結された16両編成だけです。16両連結時にホーム長の400mに合わせるため、1両の長さが欧州型客車の26.4mよりも短い25mとなっています。

模型では3両でも8両でもなんでもありですが、せっかく揃っているのだから8両フル編成にしたいですね。

ここでふと気がついたのですが、上の絵と比べるとパンタの位置がおかしいのですよ。実車写真とも照合すると、406.2と406.6の向きが逆です。実車がデビューした年に作ったので、資料が乏しくて間違ったのかなぁ?それにしてもドイツで誰かツッコミを入れてもよさそうな気がしますけども。。

メルクリンのセット物(客車系)はなぜか食堂車が入っていて、いかにも増結車両を買ってくださいね。。という売り方ばかりですね。VT11.5もそうですし。。(VT11.5の場合には4両で客室が1両だけになっちゃうわけですし)

余談ですが、パンタがたくさん付いていても走行区間(電圧)によって上げるパンタは2個だけです。ドイツは2、7号車、直流のベルギー、オランダは3、6号車、スイス、フランスでは4、5号車となります。ドイツとスイスは交流で電圧も一緒ですが、実車の場合パンタのシューの大きさが違います。たぶん架線柱とか建築限界の違いだろうと想像してます。まあ、模型(Zゲージ)の場合はパンタは一緒でわかりませんけど(笑)88712で架線集電で走行させる場合には、食堂車(406.3)のパンタからしか集電できませんが、そうするとオランダ等直流区間の姿しかできない!・・・と考えると基本セットの2等車(406.6)を動力車にすべきだったんじゃないかと・・・(そうすればドイツ区間走行時の姿にできる)どこまでも詰めが甘い製品ですなぁ・・・はぁ~~~。

 

ICE3は導電ドローバーによる連結方式で作られています。VT11.5と同じですね。従って、連結する向きが固定されていてこのままでは実車と同じ連結方向にすることができません。

 

 しかし、基本セットの88712に含まれる車両は裏からピンが差し込まれる方式でドローバーが固定されていますのでこれを抜けばドローバーを抜くことが可能です。

 

 通常は手前2両のように赤いプラパーツでドローバーが抜けないような作りになっています。一番奥の車両は黒いパーツの方にドローバーが付いていて裏からピンが差し込まれています。

 

 てなわけで、基本セットの406.6はドローバーを抜いて先頭車両(406.5)の方へ取り付けちゃえば向きが変更できますね。

 

87713 406.2の方はプラパーツ(黒、赤)を入れ替えないといけません。がっちり刺さっていますので、シャーシ部分を折らないように抜きます。これでひっくり返せばOK。

 

見た目はそんなに変わりませんがとりあえず自己満足。。ただしドローバーの向きを換えちゃうのでそのままだとケースに入りません。私はケースの薄いプラをカットしました。

例によってメルクリンのドローバー方式は、進行方向の先頭車両から集電する方式でフル編成の場合は4両先から通電されてきます。とりあえず上の写真のようにダイオードをショートさせると前後の先頭車両から給電されるようにできます。基本セットは中古で購入したのですが、モーター部分への配線が基板からリード線でクロスするようになっていたので「前のオーナーが改造したのかなぁ?」と写真のように直接リード線をハンダしました。。。がこうすると進行方向が逆になってしまいます。う~ん、基板の配線もいいかげんだなぁ・・・

 

 進行方向が逆だと先頭車両のLEDが赤、黄色が逆なのでカッコ悪い・・・・というわけで、ダイオードを外して配線をクロスさせてしまいます。この方がメンテナンス性もよくなってダイオードの電圧ドロップもありませんし、よいのではないかと思います。

★メンテナンス他

導電ドローバーの接触が悪くて、8両編成だとうまく走行できるのかなぁ・・と思っていると案の定ダメ(笑)所々で室内灯が点いていなかったりします。動力車を除いて他の車両を線路上で1両づつ連結しながら通電状態を確認し、接触の悪い部分は端子を曲げたり、リグロインで洗ったりするとあら不思議!ちゃんと走るようになりました(笑)ムービーをUPしましたのでご覧くださいね。

とはいえ、先頭車両から集電する方式は走行抵抗が増えるのでそれだけでも8両は苦しい状態です。平坦な線路上であれば快走しますが・・・R195以下は走れません。勾配があると助走つければなんとか・・って状況です。動力車で集電しないんなら動力車の車輪はゴムタイヤ付にしてくれればよかったのに・・・集電がおヘタな部分は中間車両も台車部分のシャーシに集電ピンの穴が開いてますので、先頭車両の台車を入手すれば全車集電化は可能です・・・が余計抵抗が増えるだけか。2動力化にするのが一番いいかも。

未見ですが、2008年モデルで88714としてICE3が再発売になったみたいですがカタログ写真を見る限りではパンタの方向は間違ったままです。406.2を2等車に変更、レストランをビストロに変更くらいはして欲しかったなぁ。もうちょっと言えば屋上の増設エアコンなんてのも・・・金型変更はお金がないか。。

不満だらけのICE3Mですが、先頭車両から集電するメリットとしてはDCC化の際に先頭車両にデコーダ(ライト切替用のファンクションデコーダ)を搭載、配線が簡単にできるということがあります。(まあ、これぐらいしかメリットがありませんが・・)DCC化自体はDE25x4szrを搭載すれば簡単にできそうです。

Z Scale : ICE3 Loop test
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