客車に照明を入れる場合には、車輪から集電を行う必要があります。メルクリンのZゲージでは一部の製品以外では集電シューはありません。
一般的なのは、リン青銅板でシューを作成して車軸から集電する方法です。台車に穴を開けて折り曲げた部分を差し込むだけなので簡単です。ドイツだとこの集電シューを作っている人もいて、ショップでも手に入るのですが日本では手に入りずらいです。また、摩擦による集電なので、強く車軸に当てれば集電が確実になりますが走行時の抵抗になります。この辺がやってみてみると意外と難しく、室内灯がチカチカしない程度の力加減を出すのに調整が必要ですし、走行抵抗が増えてあまり長い編成だと機関車の牽引力の限界がきます。
ドイツのフォーラムを見ていると、ボールベアリングによる集電方法が掲載されていました。そんな小さいベアリングがあるのか!と驚きでしたが、軸径1mm、外径3mmのベアリングが普通にAmazonで購入できました。
ベアリングを軸に差し込むには、車輪を軸から抜く必要があります。
軸を抜くのは、左写真の黒いプラ軸が挿入されている側です。
700円くらいで売っているプーラーで抜きます。軸を押すのは2mm程度の太目のもので大丈夫です。
黒いプラ側を上にプーラーに入れていきます。軸の中央部分に当てるようネジを回していきます。あまり力は必要ないので、指でつまんで回してます。
プラ部分と面一くらいになったら取り出します。プーラー使ってますが、力があれば手でも抜けそうです(指が痛いですが・・)軽く抜けるので、車軸先端がつぶれることはありません。
指で引っ張れば車輪が抜けます。
軸にベアリングを通して、車輪を元の位置まで差し込めば一旦完成です。車輪幅(バックゲージ)はシビアではないものの、既存品と比較するくらいは必要かと思います。
(余談)1970年代の製品と思われる有蓋貨車(8605)の車輪を抜いてみたところ、黄色矢印のような出っ張りがあり、ボールベアリングが通せないです。抜け防止にこんなことをしていたんですね。いつから変わっているのかは不明ですが、最近のものは見つかってません。
集電用の線材を半田しているところです。黄色矢印がプラ軸の入った車輪です。軸そのものを半田ごてで加熱するわけではないので、放熱クリップは不要かもしれませんが。。
当たり前ですが、ベアリングがある方を統一して線をより合わせて半田します。ベアリングが左右に移動してしまうので、向き確認しないと反対側に接触してショートする場合があります。線の長さはかなり短めです。
台車に穴を開けて真鍮線を差し込んでいます。0.8mmくらいが良さそうですが、なかったので1mmのものになっています。
台車から離れたところで線を半田付けして、真鍮線を引っ張れば完成です。この台車の中に配線が収まるように短くする必要がありますが、あまり短いと車軸を引っ張ってしまいますので注意です。
オレンジと灰色で配線してますが、目立たない黒の方がいいかも。
車内側の真鍮線は、このまま配線を半田するのである程度は長い必要が(台車が熱で溶けるので)あります。
ここでは、屋根にテープLEDを貼り付けてLU7r2で集電シューとLED間を接続しています。これでDCでもDCCでも共通で使用可能です。
ちょっと明るいような感じもしますが、明るいところで走らせる方が多いと思うのでこれくらいで良いかなと。
製品そのままだと内部も赤のままなので、この後内部を床をグレーにして壁を茶色で塗装しました。
走行抵抗はリン青銅のシューよりははるかに少ないです。ただ、走行させるとややチラチラするので完璧ではありません。LU7r2にコンデンサを追加することもできますが、搭載するコンデンサ容量が300uF程度ないと効果を感じませんし、大きくすると搭載場所に困りますね。もしかすると、ベアリング内側を車軸間に半田を流すとマシになるのかもしれませんが、試してません。あとは通電カプラーですかね・・・