0-8. 車両用デコーダーのいろいろ

最初に車両へデコーダーを搭載したのは、「0-1. どうしてDCC始めちゃったの?]で記載したBR103のTEEカラーだったような記憶です。


■CT Elektronik DCX74

 

とにかく小さいデコーダーが良いであろうという思いだけで、ネットで検索すると(当時は)CT ElektronikのDCX74が小さいことを発見。たぶんLok Shopから買ったんだと思います。たくさん買ったので、未だに新品のままが残ってます。写真はBR151かな?その後Re460とかオリジナル基板を外して搭載したり、基板をカットして配線したりしてます。

今だともっと小さいサイズが出ているようですが、Tゲージ用の7mm X 5mmとか驚異ですね。ただし、小さいデコーダーはDCC信号(コマンドステーションからの信号)の限界電圧が低かったりするので注意が必要です。DCX74は18Vだったかと。メルクリンモーターが10VMax(アナログ)なのでそんなに高い電圧を掛けられないこともあって、必要十分ではあります。

DCX74は相性がいいのか、設定がよいのかデフォルト設定で低速からスムーズに走ります。最初に選択したデコーダーが良かったので、DCCを続けられたのかもと思うとラッキーな選択でした。CT Elektronikはオーストリアにある個人でやっている会社っぽいですが、途中でLok Shopの扱いが無くなったりしていろいろ探してもあまり扱っているショップが無いですね。

サウンドデコーダーも試しに購入して、プログラマまで買ったんですが消費電力1Wとか、搭載するのにはZでは大きすぎるってことで試しただけで終わりました。

 

GE70ELという電気機関車の音が入ったデコーダです。裏側が金属板で放熱板ですね。

DCX74と比べるとこんな大きさで、当時はまだ小さい方だったように思います。

シリアルでPCに接続して、書き換えるプログラマもありました。

 

ソフト側の見た目はこんな感じ。ドイツ語版のみです(当時は。今はわかりません)LGBとか庭園鉄道みたいなのは、大きな音が必要なのでこんなのも必要なのでしょうね。


■Uhlenbrock社製73500デコーダー

 

ウーレンブロック社の73500を買ったというよりも、eBayで見つけた「デジタル仕様のBR003」を買いました(笑)テンダー部分に搭載してあって両面に部品が搭載しているタイプなのでちょっと厚いですね。蒸気機関車は単体で買ったのはBR003が初めてで、その後いくつかは買ってますが、デコーダーを搭載するスペースが無いため、改造には至っていません。このBR003もデコーダーが焼けてしまって、DCX74に入れ替えしてあります。詳細はDCCの車両用デコーダーのDCX74編をご覧ください。


■永末システム事務所製 DE25x4szr/DE29x4szr

 

2008年初頭に完成したのが、Zゲージ専用ドロップインデコーダーのDE25x4szrです。永末さんに作っていただきました。詳細は「DE25x4szrを作る」をご覧ください。

とにかく改造が面倒で、オフミ等で聞いていても高価な車両を切ったりするのはちょっと・・とか、半田付けは難しいなどいろいろご意見があったのでドロップインで(多少は)簡単に搭載できるようにしたのがきっかけです。自分でも面倒だって思っていたので(笑)

 

四角い電気機関車、ディーゼルには大体搭載できるようになってます。

写真がブレていて申し訳ない。やっぱり鬼門はモーターへの接続で、ここは半田付けで線を出して接触させるんですがモーター側のコンデンサーの足がバラつきがあって大変だったり、あんまり半田こてで熱し過ぎるとパターンが取れたりとか(私はそんなことなかったですけど)スルーホール打っておけばよかったのに!って言われました(打てるスペースが無いんです)まあ、それでも便利ではありました。

※モーターへの出力線を長くして接続した方がやりやすいのですが、ここがショートするとデコーダーが壊れます。他のデコーダーもそうです。ショートしなくても3極、5極モーターの調子が悪くて大電流が流れるとやっぱり壊れますので要注意です。

 

 

ロービーム、ハイビーム、消灯、テールと切り替えている状態です。他のゲージでもありますが、メルクリン動力車にデコーダーを搭載した際に悩むのが極性切替でヘッドライトとテールライトが切り替わる仕様になっていることですね。ライトしかない車両もありますけど。

アナログで走らせていて、貨車や客車を牽引していてもテールランプが点灯しっぱなしで「なんか変」って思ってしまったんですよね。機関車のテールなんて単独で走行する以外点灯するのは無いはずなので、極端な話ではなくてもいいような気もします。もっとも欧州ではプッシュプルトレイン(ペンデルツーク)という制御客車を先頭に機関車が最後尾で押すタイプの編成がありますから、この場合はテールのみ点灯で、ヘッドライトは消灯が基本です。初めて欧州へ行ったときに、ヘッドもテールの点きっぱなしの車両とかたくさん見かけましたので意外と適当なんだなと思いましたけど(笑)くだらないけどもテールとかヘッドライトをそれぞれ個別にON/OFFしたいんですよね。ドロップインにしてしまえば、内部の回路で配線できますから実現できたわけです。

DE29x4szrは、DE25x4szrの後継でちょっとバグ修正も入ってますが基本は同じです。両方とも希望の方々に領布しました。今は作っていません。


■永末システム事務所製 DEP1

記憶があいまいですが、DE25x4szrよりもPWMコントローラを依頼したのが先だったように思います。コントローラなんですが、中身はデコーダーが入っているので、車両用デコーダーにダイヤルが付いたものだと思ってください。

これでアナログ車両を走行させると、デコーダー搭載時の挙動がわかるはず!と思ってデコーダー搭載で躊躇される方にDCCの良さがわかるんじゃ?と作っていただきました。結果はそれほど感動した人もいなかったようですが(笑)残念。良い出来なんですけどね。

 

メルクリンZの泣き所がモーターにあります。1972年発売から40年以上経っても3極モーターから5極へ進化(?)しただけで、このモーターのバラつきが激しい。しかもブラシを掃除しないといけないとか小さいならでは以上にイライラする部分です。

 

「分解すると保証対象外になります」といった日本製とは異なり、分解図まで添付されているので、しっかり掃除しろってことなのでしょう(笑)中古で買ったりすると、ブラシが真っ黒だったり、オイルが固まっていたりと分解->掃除の繰り返しで段々楽しくなってきます(苦笑)

レイアウトを走らせると、パウダーやら埃が台車に絡みついていて走行はするもののモーターの消費電流が異常に高くなったりしています。

整備してDEP1で走らせると162mAとかですが、調子の悪いモーターだと300mAとか400mAでブラシから煙が出ていたりします。3極、5極モーターを使うには整備が欠かせないですね。特にDCCの場合はデコーダー焼損にもなります。


■KATO製 FL12

うちのサイトで一番多いアクセスがFL12のページ(笑)制御客車という欧州では一般的な客車のヘッドライトとテールを点灯制御するためにBORAさんから1枚いただいたのがきっかけです。普通にファンクションデコーダーを輸入するにしても、送料とか高く付きますから国内調達できればいいよね・・という発想です。

 

左がBORAさん、右が私改造の制御客車です。これもアナログだと線路の極性で切り替える仕様なので、DCCの線路に置くとヘッド、テールが交互に点灯消灯を繰り返すので変ですね。これだけのためにもデコーダーを搭載する必要があるのは、DCCの仕方ない部分ですねぇ。


■Velmo製ドロップインデコーダー

DE25x4szrを製作していただいている時から発売されて気になっていたのがVelmo。

 

ライトへの接触するリン青銅板とか、モーターへの接触板とかすでに完成している状態でまさにドロップインです。車両によっては分かれていたりと、蒸気以外のほぼすべてを網羅されています。

 

一部のディーゼルだけですけどもサウンドデコーダーもあってこれは楽しみが増大します。

編成用ではVT11.5に導入しました。運転室も点灯可能です。

 

ロクハン(NOCH)のBR181.2も早々と専用デコーダーが。メルクリンZの新しいコアレス用にも一部対応してますが、特殊な車両(クロコとか)だけで普通に5極からコアレスになったものは現在は出てないです。


■ロクハンモーターへ改造

 

メルクリンの新モーターもロクハンモーターと外径は同じで、たぶん製造している中国のメーカーは同じではないかと思います。ロクハンモーターは分売してくれていますし、メルクリンモーターの1個35ユーロとかに比べて1000円ですから安いですよね。軸が短いのが難点ではありますが、旧モーター搭載のシャーシをフライスで少し削れば入りそうです。

 

軸延長とロクハン付属のウォームギアでなんとか収まります。ギア鳴りしますが、5極モーターよりは静かで、消費電流も25mA前後と1/6以下でデコーダーにも優しいです。

メルクリン新モーターの製品もそうですが、やや真ん中が盛り上げるんですよね。写真は無理やり固定してますが、この0.2mmくらいがボディの屋根部分に当たったりするので対策が必要です。

やはりDCX74みたいな個別デコーダーを配線した方がいいような気がしてます。またヘッドライトの極性変換に悩むのかなぁ・・・


■ロクハンデコーダー、サウンドデコーダー

上の黒いのがロクハンデコーダー、下がD&H製SD18Aサウンドデコーダーです。SD18AはBR232用のVelmoデコーダーも同じでした。

 

雑誌付録のkiha52の下まわり(1580円くらいだった)です。スペースに余裕があるのでNext18コネクタのSD18Aも搭載できます。


■配線はどうするの?

デコーダーの紹介だけしても、どんどん新しいのが出てきますし簡単なドロップインならともかく、個別デコーダーだと配線しないといけないですよね。

以下、回路とかわかりにくい話が続きます・・・すいません。。

KATOのWebサイトやロクハンの取説に出ている一般的な配線は上図のような通りです。これだとF0でON/OFFだけなので、テールを消すとか出来ません。もっともデコーダー自体が2ファンクションであれば、黄色と白の線しか(ファンクションはですが)出ていないはずですのでこれで我慢するしかないかも。ただし、マニュアルを読むと4ファンクションと書いてあって線が出ていないタイプもあるので注意です。

 

kiha52に取り付けたロクハンの室内灯タイプのデコーダーですけども、取説を読んでいると不思議なことに気が付きました。純正のライト基板を使う場合は、黄色と白だけ接続すればよいと。。上級者向けでは、青線も使ってますが本来は青線が共通の+線のはずなのでロクハンデコーダーは黄色、白だけで進行方向で極性が逆転する仕様になっているようです。青線も本来ならばDCC信号の電圧のまま+が出ているはずですが、取説には5Vと書いてます。まあ、ロクハンオリジナル仕様ということで。。。左に書いてあるLEDの絵はたぶんこうだろうということで、ロクハンがこうなっているのは未確認です。メルクリンでもLEDや抵抗の構成が機種によって違っていたりします。

DCC規格のMOROP(欧州)が出している規格NEM650を見ると配線の色が決まっています。緑と紫があればF1、F2まで使えるってことですね。

さらにNEM652を読むとコネクタと共にライトへの配線はこうだ(って決まりではないですけども)って書いてます。青線はDCC信号から+だけ来るってことですね。

最初の絵が電球っぽいので、LEDに書き換えました(笑)こういうLED部分がヘッド/テールで一体になっていて極性変換で切り替わるのがメルクリン純正なので、面倒なんですよね。アナログだと回路が省略できて低コストなのでいいんでしょうけども。

 

ビール飲みながら一日中考えてみました(笑)緑と紫の線が出ているならば、こんな感じで接続すればなんとかなりそうです。ただし、条件が書いてある通りにF1、F2も進行方向でアクティブになるかどうかの制御が必要です。考えてみればレールからダイオード経由か、ブルーの+ラインが出ていればそちらでもOKですね。。

D&Hのデコーダーマニュアルを見る限りでは、CV値を設定すれば大丈夫のようです。

 

JMRIのDecoder PROの画面です。なんかD&HのDH05Cだと最初からF1、F2の制限が掛かってます。DCX74だと緑と紫じゃなくて茶色になってますが、設定変更すればいけそうです。AUX1,AUX2って線が出てなかったりするんですが、D&Hだとマニュアルに引き出すパッドの位置が書いてあります。DCX74は不親切ですけども、ネット上で線を引き出している人の写真でも見ながらやるしかありません。たぶん、線をハンダしてある裏側のちょっと大き目のパッドがそうです。(そのうち実験してみます)

 

D&Hのプログラマに接続してある実験回路の写真です。先ほどの回路と同じくダイオード4本と抵抗を入れて実験中のもよう。メルクリン純正(Re460のもの)を両端に接続して、進行方向切り替えでヘッドライトだけ点灯しているところです。

さらに進行方向逆のテールライトを点灯(スイスタイプなので赤ではなくて片目点灯)の様子です。

まあ、こんな感じで個別デコーダーを配線してもいけそうですね。


■メルクリンZの新モーター対応

現在、メルクリンZの新モーターに対応したドロップインはジャーマンクロコ(E94)とかE41といったものはVelmoから発売されています。4軸、6軸のディーゼル、電気機関車とほぼ新モータータイプが網羅されつつあります。DCC化するなら前述の3極、5極よりも新モーターにしたいところではあります。

新モーター搭載機の問題は、自己改造のロクハンモーター搭載と同じようにモーター部分が少し上に出ちゃうんですよね。そのため、アナログ基板もモーターの前後で分かれる形に変化してます。両基板を接続するために配線が増えていて、コストアップしてそうな感じではありますね。現状、手持ちのDCX74とNext18コネクタのDH18Aを置いている写真です。DH18AはたぶんDH10CのNext18コネクタバージョンです。

Next18に拘っているわけでもないんですが、コネクタ化出来るとデコーダーの交換が簡単ですし、ファームのアップデートも車両ごとではなくてデコーダー単体で出来て便利そうなので。Nex18搭載のメルクリンZ用基板が作れないかなと考え中ですが、写真のRe4/4で試してもパンタグラフのネジが当たるようでダメですね。パンタのネジ頭が薄いものに交換するか、パンタを接着するか・・・

モーター上のプラ部分をスライスしてみたりしてますが、これでもまだフラットにはなりません。

すなおに個別デコーダを配線するのがいいのかもしれません。まあ、ちょっと考えてみましょう。。

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