2-9. Sommerfeldt製架線を利用する

 

メルクリン製の架線システムは、なかなか良く出来たシステムになっています。しかし、段々慣れてくるとカーブで線なのに弧を描いているとか、横から撮影すると板を打ち抜いたものなので、シルエットが美しくない・・・などと贅沢な悩みを抱きましてなんとかしたいものと考えておりました。

 

そんな折、当時(2005年)に220dasjournalを見ると架線自作が載っておりまして大変興味を覚えました。

 

0.28mmの真鍮線を使って、同じように作ってみるとなかなか実感的。。しかし、上下をつなぐ真鍮線の下側に半田がはみ出るとパンタが引っかかったり(いや、削ればいいだけですけども・・)、熱でバラバラになったりとかなり大変。コツをつかんでこれで延々張って行くのは無理そうです。

そこで、もっといいものはないかと探していると他のゲージではSommerfeldt(ゾマーフェルド)というメーカーが有名ということを知りました。もちろん、Zゲージ用はありません。Nゲージ用をなんとか切り詰めれば使えないかなぁといったところです。ちなみにSommerfeldtというドイツの会社は、なんと1949年創業。架線とパンタグラフだけ作ってる会社のようです。60年以上もそれだけでやっていけるということは、欧州には架線の市場がそれなりにあるということなのでしょうね。

他にもVollmerやVeissmannなんかが作っていますが、種類が豊富なのとリアルなのはSommerfeldtですね。たぶんメルクリンH0のものはVeissmannのOEMです。Veissmannのものは架線を引っ掛けて組み立てられるので、お座敷でも一応使えるようなのですが、Sommerfeldtは半田付け必須です。固定式のレイアウトにしか使えません。

   

Nゲージ用でも種類は豊富(H0はもっと種類がありますが)。右端の「Overhead Spider」なんてまさにクモの巣ですね。転車台の上に張ったら見栄えがしそうです。

 

 チョイスしたのは、単線用の鉄柱タイプが2種類(片側、両側アーム)とコンクリート柱タイプです。左側の写真にはメルクリンのZゲージのものと比較のために一緒に写してます。架線も下側はメルクリンのものです。右側のコンクリート柱(実際の製品は金属棒ですが・・)の写真はすでに改造途中のものしかありませんでした・・・すいません。

とにかくSommerfeldtの架線については情報がなく、一回めはカタログだけドイツから取り寄せてそれから発注するという手順なので時間が掛かりました。また、カタログにはどうやって組み合わせるとか手順のようなものはなく、どうも説明書は別売(売ってるんですよ!)を買うしかないようです。とうとう、説明書は買いませんでしたが・・・大きさも構造も良くわからないので、とりあえず実物を買ってみるとこにしたわけです。ちょっとだけ買うとドイツから来るのにまた時間が掛かるので、余分に購入しました。。。

 

長さはNゲージ用なので、当然長すぎますから切るしかないのですがこれがまた大変。。途中でつなぐと力加えた時に折れちゃうので、台座部分のプラスチックをカッターで半分に切って、下から11mmくらいをカットしてからネジ部分を接着して台座を元に戻す・・・・う~ん、これだと自作した方が早いかもしれない。アーム部分も黄色い線のところでカットして半田付けしてます。コンクリート柱は長さに関しては差し込む深さを変えればいいだけなので簡単ではあります。

 

張力調整装置 テンションバランサとか言うらしいんですが、本物は架線柱間ごとに線を張ってるわけじゃなくて1500mとか長い距離を張るので垂れ下がらないように重りを付けています。ヤードとかの終端部分もそうですね。これはそのキットですが、こんな棒と筒、ギアみたいなのが来るだけです。架線柱はついてきませんが、これはメルクリンのものを流用すればなんとかなります。

 

架線ですが、Nゲージ用は0.5mmとちょっと太めしかなかったものが当時、新たに0.4mm(上部は0.35mm)のものが発売されてこれにしました。440~444の型番のものです。架線も上下間隔が長いので、真ん中で2mmくらいカットしています。架線の上下をつないでいる線はスポット溶接しているようなので、半田を使ってもバラバラになることはありません。

 

このときはあまり資料もなかったので、見よう見まねで作ってます。架線柱間隔も適当です。カーブの部分は直線でカクカク張っていきます。右写真の左端はトンネル部分ですが、処理がよくわからなかったので1本にしてつないでます。

 

ポイント部分はクロスさせて、突き抜けた架線が架線柱で支えられるように構成しています。本物もこんな感じみたいです。架線柱の位置が、ポイントの分岐始めではなくてちょうど中間くらいに位置しています。架線を直線で構成するためにこの位置になりますが、架線がクロスしている部分でパンタが引っ掛からないように位置決めがちょっと面倒です。

 

こちらはヤード終端部分です。メルクリン製の架線柱をカットしたものにSommerfeldt製の張力調整装置キットを固定しています。ちょっと大きいのですが、見栄えはなかなかです。張力調整装置はヤード終端に必ず付いているわけではなくて、単に引っ張ってるだけのものもあります。架線は1本で長い距離(ここではポイントの分岐までと短いですが)を張ったときにどちらかに張力調整装置が付いて張りの調整ができるように構成されるようです。ですので、直線とかカーブでも張力調整装置が付きます。

 

架線の上下間隔が広いのが気になりますが、シルエットは細くてよいです。コーナー部分も直線でカクカク張ってあるとリアルでいいですね。黒で架線を塗装してますが、新品時はグレーが正解なのかも。。

まあ、自己満足の世界ですが欧州だともっと細かい細工をしていたりするのでまだまだかも。しかし、実用性(架線集電やメンテナンス)を考えるとあまりディテールを追加するよりもある程度に留めるのがよいと思います。

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