4-17. DCC配線と設定方法の備忘録(Gotthard Pass)

DCC配線と設定方法の備忘録的なまとめをしておきたいと思います。

1.車両位置検出センサーの接続

2.レイアウトのアドレス設計

3.センサーアドレスとDR4088RBへの割り当て

4. ポイントデコーダー

5. スイッチモジュール

6. アドレスの管理その他


1.車両位置検出センサーの接続

自動化のために線路にギャップ(片ギャップ)を切ってあり、それぞれの線路まで配線しております。その先にはDR4088RBというセンサーに接続されている構成です。

digikeijsのDR4088RBマニュアルに掲載されている図ですが、コマンドステーションのDR5000から赤い線は直接線路に接続して、片側はDR4088RB経由でギャップを切ってある線路にそれぞれ接続している構成です。実際のレイアウトでは、赤い線は一か所ではなくてDR4088RBから線路に接続している部分には、それぞれ赤い線も接続しています。これは片側18mになるので、なるべく電圧降下しないようにとDCCの波形が崩れないようにとの配慮です。どれくらい効果があるのか比較してませんが、各線路での波形をオシロスコープで崩れていないことは確認してます。

DR4088RBなんですが、アドレスの若い順にカスケード(順番に)接続する必要があります。最大10台までで160ポイントのフィードバックが可能と書いてあります。私の場合は5台なので80ポイントのフィードバックになります。(この制限はDR5000のR-Busの制限のようで、Xpressnet(RS BUS)では2048までアドレスが可能です。)

ちなみにDR5098というX-BUS HUBを使えば特に順番を気にすることなく、適当に接続することが出来ます。もちろんアドレスは同じではダメですけども。

レイアウト裏でもDR4088RBの表面に「1」「2」とテープで貼ってあるのは、順番に接続するためです。あとは設定したアドレスを忘れるからというのもありますが。

2.レイアウトのアドレス設計

レイアウトソフトのSCARMで3Dにした図です。手前と真ん中と奥で3段の高さに上っていく、エンドレスの変形です。左側にあるループは3回転半くらいで140mmまで登ります。長編成でも登れる勾配にした結果、距離を延ばす必要がありました。基本的に複線のエンドレスで単純ですし、複線の線路同士は電気的な接続はありません。独立しています。

全体を平面で見るとごちゃごちゃしてますが、当初は80cmの編成が各ブロック(ギャップで挟まれた区間)に収まるように計画しました。ただし、レイアウトを分割する都合もあって短かったり長かったりします。ヤードとWassen駅部分は、短いギャップでそれぞれ4個のセンサーで検知するようにしています。停車位置とか調整が出来るようにですね。

こちらは1層目です。隠しヤードが6本と、手前の登り、左側のループ登り始め部分です。内周が1-xで、外周が2-xで番号を振っています。(スイスは左側通行です。)数字だけの1~8はポイントのアドレスです。

2層目はWassen駅周辺です。こちらも数字だけのものはポイントのアドレスです。分岐した部分を細かくギャップを切ってみましたが、もうちょっと実験して計画すればよかったと後悔してます。

3層目は左右のループ開始部分と一番高いところを通過する線路です。

 

ループ部分は、こんな感じで半周ずつギャップで切られています。

実際に動作させるRocrailの画面ではこんな感じになります。四角いのがブロックで、小さな赤もしくは緑の〇がセンサーです。ヤードとかWassen駅部分は、ブロックに4個のセンサーが割り当てられていて、その他はブロックに1個ずつです。PC画面で見ると単純なエンドレス2本ですね。

3.センサーアドレスとDR4088RBへの割り当て

前述のように、分割する都合とより近いセンサーへの配線など、制約が出てきます。実際に使うセンサーは61個ですが、配置も考えてDR4088RBは5個使用しています。空白の部分は接続されていない部分となります。また、内周と外周ではコマンドステーションからの出力と、ブースターからの出力で分かれているため、16ポートあるDR4088RBの8ポートずつで分けなくてはならないので、無駄な部分も出てきます。つまり、1番に1-1、2番に2-1はこの構成だとできません。実際にDR4088RBに割り当てているのは、17~始まる番号です。

 

Rocrail側ではどういう設定になっているかというと、「Table」メニューの「Sensor」で「Interface」タブを見てみると1-1はアドレス49になっているのがわかるかと思います。

全体での接続は上図のようになります。内周をTrack 1、外周をTrack2としてブースターで分けています。DR5000とDR5033(ブースター)の赤と紫の線は、実際にはギャップを切っている部分と同じだけ接続して電圧降下が無いようにしています。黒線は、4線のRJ11(電話と同じコネクタ)ケーブルです。

4. ポイントデコーダー

ポイントは全部で12個です。隠しヤード部分が8個でアドレスは1~8、Wassen部分が4個でアドレスは9~12とシンプルです。

ロクハンからATLAS製のポイントに変更しました。

 

それに伴って駆動方式もサーボでの駆動に変更したため、ポイントデコーダーもTam Valley Depot製 Quad Pic Auto Servo Decoderに変更しました。

入力は線路と同じDCC線なので、各デコーダーにはTrack 2のケーブルから分岐して入力しています。

5. スイッチモジュール

 

DR4018スイッチモジュール(digikeijs製)を使って、ストラクチャの照明などを制御する予定です。まだ本格的に設置されていません(2020年3月現在)

 

架線柱上の照明やら、駅舎の照明などなど。

 

Z21アプリ上からON/OFFしている写真です。

アドレスは17~32の16ポートをとりあえず設定しています。教会やらその他のギミックがあるのかどうかわかりませんが、制御方法も含めて検討ですね。

6. アドレスの管理その他

DCCのアドレス(規格としてあるのはですが)は

・機関車のアドレス

・ポイント等を切り替えるためのアクセサリアドレス

の2種類です。

その他に各社のコマンドステーションが具備しているバスで、フィードバックモジュール等を接続する機器のアドレスがあります。ここは各社が勝手に企画しているので、同じではないですし、Railcomとか新しいインタフェースが出てきたりと接続できるのかどうか、動くのかどうかが最も怪しいところです。自分のところの製品で囲い込みをするための規格でもありますので、性能を競うという意味では正しいのでしょうね。DR5000は、Loconet、S88N、X-BUS、R-BUS、RS-BUSと様々なインタフェースが搭載されていて最強かと思うのですが、実際にはどれかに統一する人が多いかと思うので、いろんなものに手を出さなければ各社純正の方がいいような気がします。もっとも価格も安いので、これだけで済ませることも選択肢にはなります。アドレスについては、上記機関車のアドレス、アクセサリデコーダーのアドレスとも被りませんので、同じ1番が付いていても大丈夫です。

DR5000のインタフェース

■S88N

メルクリンが開発したバス規格(S88)で16ポートのモジュールを16個まで接続可

■Loconet B

ブースター接続用のLoconetみたい。16ポートのRailcomモジュールを128個接続可

■Loconet T

16ポートのモジュールを128個接続可

■R-BUS

16ポートのモジュールを10個接続可。元々はXpressnetがベースのRoco版のようです

■RS-BUS

Xpressnetの信号であるR、Sをそう呼んでいるようで、16ポートのモジュールを32個接続できるみたい。

★元々、Lenzのシステムを購入したのでXpressnetから始まっている私ですが、DR4088とかR-BUSなんだけどもS88も搭載してあるモジュールだとアドレスどうなっちゃうのとか考えこみますが、S88の機器がないのでマニュアルも読んでません。それぞれ別々に拡張できるんなら素晴らしいですね。

ま、あまりフィードバックまで行っているレイアウトを日本では見かけないので情報が少なくて困ります。2048もあれば無限かと思えるんですが、私の単純な複線エンドレスでも80のフィードバックを使いましたから、もっと複雑で大きいものは足りなくなるってこともあるんでしょうね。

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