PCからDCCを制御するソフトとしてはフリーの「JMRI」、有料ではRailroad&Co.のものなどいくつかあります。フリーのもので見つけたのが「Rocrail」です。JMRIはJavaでコーディングされていてMacでもUnix系でも動作します。RocrailはC++で書かれていますがWindows、Mac、Linuxで動作できるようになっています。どれを使っても似たようなものなのかもしれませんが、JMRI、Railroad&Co.のものはハードウェアとの接続に関して具体的に書かれていないようでよくわかりません。Rocrailも詳しくは書かれていませんが、リンク先のハードウェアを公開しているところに様々なインタフェースの情報があり、既成品のみで構成しないのであれば有用な情報がたくさんあります。また、実際にZゲージで実験されている人もいてYoutubeに動画がUPされています。
最終的にはPCによる自動運転までいきたいのですが、とりあえずはコマンドステーションが動かせるか?ですね。
手持ちのコマンドステーションは、Lenz製のCompactとSNJPN製のDP1だけです。最終的にはフィードバック(列車位置検出等)を行うので、なにか購入するか自作する必要がありますがまずはLenzのCompactに接続してみたいと思います。
これがLenzのCompactです。入門用とも言うべきもので買った当時は1万円しなかったと思います。Atlasや他のメーカーにもOEMで出されていたので欧米ではかなり数が出たんではないかと思われます。現在は生産が終了しています。こんな廉価版のコマンドステーションでも他の機器と接続するネットワークが装備されています。Lenzの場合はXpressnetというバスになっています。写真だとグレーの電話ケーブル(電話機つないでるケーブルとだいたい同じもの)がそうです。機器同士を接続するバスは、各社バラバラで互換性がありません。NMRA規格のDCCではどのコマンドステーションでも同じように動作しますが、拡張機器は大体同じ会社のものに限定されてしまいます。
PCと接続するインタフェースはLenzからUSB接続のものとEthernetのものが出ていますが、あまり安くないのと今後Xpressnetで拡張していくかどうかは不明なので、回路図を公開しているXnTCPというものを作成することにしました。
Ethernetが搭載されたPICマイコンボード(オーストラリア製)にXpressnetのインタフェースであるRS485のチップをちょこっと載せるだけです。
実際に接続したところです。左がXnTCP、真ん中がCompact。右に見えるのはポイントデコーダです。XnTCPは無線LANルータにLANケーブルで接続されています。
概略図を書くとこんな感じです。無線LANルータには、PCとiPhoneなどが接続されています。RocrailにはiROCというプロダクトもあって(これは有料)iPhoneやiPad、その他タブレットでコントロールできます。
Rocrailを起動したPCの画面です。左に登録した機関車のアドレスや画像が出てきます。ファンクションや速度制御も左側のレバーでできます。右はレイアウト図が出ていますが、自動運転等の場合にはこちらにポイントやら検出するブロックなんかを定義していきます。今回はポイント1個のみなので単に絵だけです。
特にiPhone等を使わなくても、機関車をそれぞれ別画面に分けることもできますので個別に制御するのも不自由はありません。
機種変してもう使わなくなったiPhone3GSもiROCを入れればスロットルに早変わり。機関車の画像など登録はPC側のものを持って来るので設定は必要ありません。単に出てくるものを選択するだけです。
機関車のアドレス覚えるなんて私には出来ませんので、画像一覧で選択できるのは魅力です。しかも自分で撮った写真が使えます。
iPhone4Sでも同様です。PlanをタップすればPCで登録したレイアウト図が出てきます。ポイントの部分をタップすればポイントが切り替わります。
これでなにが出来たのかというと、iPhoneのスロットルが増えただけではありますが無線でコントロールできるのはなかなか良いものです。もちろんRocrailで制御中もLenzのCompactのスロットルも使えますし、PC画面でも操作できます。複数の列車を同時に動かすと物理的に違うスロットルで分かれている方がわかりやすいですし、自動で運転させておいて1列車だけは手動で・・なんてことも可能です。
■Rocrailを使った自動運転については以下をご覧ください。
ちなみにJMRIでも問題なく走行しています。どちらがいいかは好みの問題ですかね。