初期の頃のGotthardレイアウトのループ部分です。この頃はまだメルクリンレールですね。R220までしか無いメルクリンレールでは、カーブがきつくて登れないためにフレキシブルレールを使って大きなカーブを作っています。この動画では、ICE3はまだアナログのままです。あくまでも登坂テストということで。。
その後、1両の機関車でもう少し長編成が登れるようにということで左のようなL字型でループ部分を拡大して、最終的には右のような3127mm X 1200mmのサイズに今のところなってます。拡大と言っても途中で解体して作り直しているわけですが、ついでにレールをメルクリンからロクハンレールに変更しました。カーブはR245、R270を使ってますので最小半径はR245になります。
DCCと関係ない話ですが、ロクハンの道床付きレールはお座敷運転には最適ですが、固定レイアウトだとちょっとおもちゃっぽいのが気になります。右のようにバラストを撒いてしまえば気にならなくはなりますが、バラストを固着させるのがメルクリンレールよりも難しく感じます。もっとも、板にマークした位置に合わせていくのはメルクリンレールだと歪んでしまわないように慎重に進める必要がありますが、ロクハンではそれほどズレないので楽ですね。左の写真では釘で固定してますが、道床の両側に木工用ボンドで固定してから釘を抜いてます。木工用ボンドにしているのは、剥がす時にカッターで両側を切り込めばいいですし、ボンドの跡もお湯を掛ければ綺麗に剥がれます(大変な作業ですが・・)
■列車位置検出の回路設置
当初自作した(後で変更しました)列車位置検出回路(英語だとBlock Occupancyって言ってるみたい)ですが、配線するとこんな感じになっていきます。DCCは2本だけ接続すればOKなんて話は、単純で小さなレイアウトだけです。それでも、アナログで同じようなことをしようとすればもっと配線が増えますし、電圧降下(あんまり配線が長いと電圧が下がっちゃう)を考えるとアナログでどうやって配線するのかわかりません。(そんなに何百mもあるようなレイアウトは日本にはそうないでしょうけども)
電圧降下はDCCも同じで、LDTさんのWebサイトにも接続方法として左のような資料があります。線路に沿ってリング状にしろってことですね。コマンドステーションから分岐して配線するスター状ならば順次配線していけるのですが、リング状に配線するためには先にリング部分を配線してから途中分岐する方法が楽そうです。Gotthardでは右のように黄色枠の部分のような分岐コネクタ(正式名称はわかりません)を使ってます。
あまり線が太いとダメなんでしょうけども、引いている線がホームセンターで買ってきた0.7mm(たぶん)タイプなのでこのコネクタに挟んで止めればOKです。よく車の配線を分岐するのに使うやつなので、カー用品店やホームセンターで手に入ると思います。意外とたくさん使ったので、Amazonで100個入りとか格安で購入しました。
列車位置検出回路の説明では、片側ギャップでそれぞれに検出回路が接続されるような絵になっていたかと思いますが、実際には電圧降下も考えてギャップを切っていない側も配線してます。ギャップを切らない状態で、どれくらいの間隔で配線が必要かというとNMRAに載っていた資料だと6フィートが最小(おススメ)とあるので1.8mくらいですね。なので、小さいエンドレスなんかは気にしなくていいと思います。Gotthardの場合は、CAD上で片側18m強なので、複線で2本なので36mになります。ギャップ切らない状態でも片側10か所はフィーダーケーブルを接続した方がいいのでしょう。特にZゲージの場合は、10Vに制限したりするのでDCCの低い電圧規格に近くなってしまうので、電圧降下で誤動作も考えられます。
■ブロックって何?
これが2020年現在のレイアウトにおけるギャップ位置(ブロック分け)の状況です。よくわからないかもしれませんが、複線はそれぞれ接続されておらず独立してます。内周側を「1」外周側を「2」と呼ぶことにして、ブロックをそれぞれ「1-1」「2-1」・・・「1-30」みたいな名称を付けて区別してます。内周は中間駅の待避線がある関係でブロックが多くて1-1~1-32まであります。外周は2-1~2-29ですね。つまり内周は32ブロック、外周は29ブロックで合計61ブロックあることになります。
ループ部分も半周ごとにギャップ(ブロック)を分けてありますので、位置検出回路も16個必要になります。自作回路(4回路が1枚)とLDTのRS16が1個真ん中に固定して配線されています。
余談ですが、スイス風のレイアウトにしちゃったので左側通行が基本(ドイツとかだと右側通行)なので、ループの内周を登ることになってZだと厳しくて段々大きくなっていった経緯があります。トラクションタイヤ無しのメルクリン車両は、たかだか150mmくらい登るのにこんな大きなループが必要になるわけです。もうちょっと車重があれば小さくても登るんでしょうけども。
そうそう、ブロックって何でしょうがテーマでした(笑)自動運転しないと関係ない話ですが、Rocrail(他のソフトでもほぼ同じ)ではブロックという単位に分けて自動運転制御が行われます。上図の四角い枠が1つのブロックです。赤くなっている枠は列車が存在しているところで、白枠は何もいない状態です。
内周を「E1」~、外周を「W1」~と番号を振って区別してます。Rocrailではこのブロックの接続を指定(ルートと呼ばれてます)して動作させることになります。
上側のヤード部分に「E1 Kimbly」と赤くなってますが、次は「E4」「E5」と指示されると反時計回りに走行していくことになります。またまた余談ですが、ある人に「こんなに単純な自動運転だったらバッチ処理でもいいのでは?」と言われました。まあ、内容的には順次位置を検出してポイントを切り替えてだけなので、バッチ処置でもいいのかもしれませんね。ただ、GUI(グラフィック画面)があると、ポイントの開方向がわかりますしマウスでクリックすれば切り替えられるし便利なんですね。やっぱりグラフィック上で列車が移動していくのを見るのは、「中央指令室」みたいな感じで楽しいじゃないですか(笑)なのでRocrailとかJMRIに接続したくなるわけですね。単純往復運転くらいなら私もコマンドだけでもいいと思います。
ブロックを分ける単位はどうすればいいのか?という答えは、運転する列車の長さ以上というのがソフトウェア側の回答です。Rocrailでは進行方向の空いている(白い枠)ブロックを探して走行していくようになっています。上図だとヤードの手前まで「W4 ASCOM」その後ろに「W5 DANZAS」が来てますが、その先のヤードが埋まっているので動けません。必ず前1個はブロックが空いていないと走行できないことになります。前の列車と間隔が詰まるとブレーキ、停車となるわけですね。
※ちなみにブロック枠の近くにある「緑」の点が位置検出センサーのフィードバックです。電源入れていない時の絵なので、全部「緑」ですが、検出していると「赤」で表示されます。
こちらも以前にUPした動画ですが、単純で小さなエンドレスだと走行してすぐに前の列車に近接してしまうので停まるのがわかると思います。
長編成を複数同時に走らせるのには、かなり長い距離のレールが必要になるわけですね。
ヤード、駅部分は1つのブロックに複数のセンサーが設置されています。ここもギャップを切って配置してますが、これは1列車分の長さ毎ではありません。多数のセンサーは列車の位置確認用で、駅に進入してきたら減速、微速、停止みたいな制御が必要なわけです。何個いるのかはどうしたいのかと、配線が面倒かどうか(笑)で決まると思うんですが、とりあえずやってみないとわからないので4個にしてます。ソフト側に検知してからタイマーで停止とかいろいろ設定もあるので、停止位置の微調整は可能ですがデコーダーの設定(減速率)によってはバラバラになるのでなかなか難しいところです。いっぱいセンサーあった方がいいんでしょうけども、前述のように配線が大変です。
中間部分のブロックにはそれぞれ1個のセンサーです。おススメは入口、出口でそれぞれ1個の2個があればいいみたいですが、通過するだけ(方向も同じ)なので1個でもいけます。
CAD上の位置と製作中の隠しヤードの様子です。機関車と客車7両くらい(約80cm)を想定しています。ポイントは分岐しない側のブロックに所属させないとダメです。ソフト側には「目」がないので分岐しているどちらにいるのかわかりません(笑)
■自動運転ってどうよ?
–酒でも飲みながら–
とりあえず全線接続時(シーナリーは未完成)に手動で片側だけ4列車走行させました。DCCなので1個のコントローラで、アドレス指定->速度設定を繰り返せばそれぞれを走行させることが出来ます。ただ、しばらくすると微妙な速度違いで前の列車と連結されたり、停めたのを忘れたりとか珍事が発生します(笑)大勢でそれぞれを手動で制御も楽しい気がしますね。1人で見ている分には、自動の方が楽です。ただし、線路は整備していても車両側の調子が悪くて脱線とか、停止とかいろいろ起きるので完全手放しにはならないですね。ミニチュアワンダーランドの動画見ていても、時々「神の手」が出てくるとか追突なんてあるのでそれは一緒なんだと思います。当初の酒でも飲みながらっていうのとは、だいぶかけ離れてますね(笑)
–博物館のような–
複数の列車が同時に走っているとまるで博物館のような優越感(?)があります。
まあ、PCに接続までしなくてもメルクリンのCSやESUなんかのコマンドステーションである程度は出来るとは思いますけど。システムとして面白いかどうか、興味があるかで変わるんだと思いますね。。鉄道模型は走らせないと面白くありません(車両だけ興味がある方もいらっしゃるでしょうけど)。
–どこから出てくるんだろう?–
アナログでもDCCでも同じですけども、レイアウトの線路配置は単純なエンドレスや複雑なものまでいろいろです。やっぱり全体が見渡せるものよりも、山にトンネルがあって見え隠れする方が「どこから出てくるんだろう?」と線路配置を想像するのが楽しいと思ってます。レイアウトの動画を見ていても、線路配置図が欲しくなったり(笑)日本ではあまり見かけない「隠しヤード」は欧米ではよくあるんですが、単純なエンドレスでも山の中に隠しヤードがあれば、自動運転で違う列車を運転できますから同じトンネルから違う列車が出てくると気分も変わって良いかもしれません。
全然進んでないですけども、大きなトランクと題した変形8字型のエンドレスレイアウトは自動で3列車くらいは動かせるんだと思ってます。ちょっと大きいけれども箱にいれて持って行ったりして動かせるといいな。。